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-Philosophy/哲学-

日本が世界にほこる天才カメラ設計者=米谷 美久氏。
彼の設計したカメラが何故にこれほどに世間から賛辞を送られるのか?

それは、彼の設計したカメラが当時のカメラと何か違っていたからでしょう。何か違っていた根底には、カメラ設計者=米谷さんの哲学があったからに他ならないと思われます。
このPhilosophyは米谷さんの名言の数々を通じて、彼のカメラ哲学や価値観を覗いてみよう!などという大胆なコンテンツです。ちょっと大袈裟ですが、まあ彼の名語録の数々をちょっと紹介してみたいと思います。


米谷語録その1
「他社と同じカメラを作っても意味が無い」

 この言葉は様々な雑誌インタビューの席や米谷さんの講演会等でたびたび登場する言葉です。

 この言葉はとても単純でわかり易いのですが、その根底には設計者としての米谷さんの高い志(こころざし)が存在します。米谷さんが生まれるずっと以前からカメラという道具は様々な形で具現化され、試行錯誤を繰り返して今日に至っています。米谷さんの先輩たちがすでに達成した領域においては、もはやそこに踏み入る領域は存在しない。すでに形になって存在するカメラを使えばいいのだ、という意味のようです。完成している形があるのに、あえてまた同じモノに労力を注いで作ることは無駄、意味なし、二重投資だ、という考え方です。ですから、米谷さんがカメラを設計するからには過去にまだ形になっていないモノ、実現できていないモノでなければならなくなります。販売のために、見た目だけちょっといじってさも新型!みたいなカメラ造りはいたしません!ということでしょうか。

 この考え方で生きていくことはとても険しい道のりになると思います。それは自分自身にとっても、また米谷さんが所属したオリンパス光学という大企業にとっても。米谷さんがカメラを作るのは米谷さんにとっては設計者としての腕を振るう場であるものの、企業にとってみれば売れる商品であることが前提ですし、世の中のニーズに答えていくという理念が存在するからです。究極のカメラを設計しても、それを世間が、またそれ以前に自身が所属する会社が受け入れてくれるかどうかは別問題です。良いものが売れるとは言い切れないのは過去の歴史が語っています。

 雑誌等のインタビューの席で、米谷さんご自身がたびたび会社上層部と衝突したことを語っていますが、それはしごく当然のような気がします。にもかかわらず結果的には、会社を動かし、世界から認められるカメラ造りを貫き通した米谷さん、、。米谷さんの眉間の深いしわ、そして真実を見極めんとする眼差しが、険しかった道のりを語っていると思います。

かっこ良すぎると思います。

(季刊CLASSIC CAMERA、photo by K.Akagi)

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